代償と結果の法則ブログ

こんにちは。
報道された情報や、出版された本の内容をもとに、自分の考察を交え、未来予測や、提言を行うブログです。

中国へ届け! ESG投資は、貴国への教育的提唱だ。

このNEWSは、見過ごせない!
2017年の第1回目の投稿は、
「ESG投資」の推奨は、何のための国際的な政策なのかを考える回としたい。


・GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)の高橋理事長曰く、今年度中に、ESG投資を始める方針を示す。
「企業の事業機会が増えて、投資家も投資機会が増える」


・欧米の機関投資家・・・温暖化対策の枠組み「パリ協定」発効を受けてESG投資を増やす。


ESG投資とは、環境(Environment)、社会(Social)、企業統治(Governance)の頭文字を取って、これら3つの観点を考慮した(重視・選別した)投資手法。



環境では二酸化炭素の排出量削減や化学物質の管理、社会では人権問題への対応や地域社会での貢献活動、企業統治ではコンプライアンスのあり方、社外取締役の独立性、情報開示などを重視する。


国際連合が2006年、投資家がとるべき行動として責任投資原則(PRI:Principles for Responsible Investment)を打ち出し、ESGの観点から投資するよう提唱したため、欧米の機関投資家を中心に企業の投資価値を測る新しい評価項目として関心を集めるようになった。従来の社会的責任投資(SRI)が環境保護などに優れた企業を投資家が応援しようという発想だったのに対し、ESG投資は環境、社会、企業統治を重視することが結局は企業の持続的成長や中長期的収益につながり、財務諸表などからはみえにくいリスクを排除できるとの発想がある。




当時SRIには否定的な見方も多く、社会や環境を意識した投資は財務リターンが低く、有効な投資手法ではないと見られることが一般的でした。しかし、昨今、社会や環境を意識した投資は、同時に財務リターンも高く、また市場リスクが小さいという実証研究が大学研究者や金融機関実務者から発表されるようになりました。この新たな考え方は、企業経営においても「サステナビリティ」という概念が普及し、社会や環境を意識した経営戦略は、企業利益や企業価値向上に繋がると言われるようになった動きと対を成しています。


ESGはもはや特殊な投資手法という地位から、一般的な投資手法へと変貌を遂げようとしています。


日本政府もESG投資を後押ししています。2014年2月に金融庁が発表した「日本版スチュワードシップ・コード」、2015年6月に金融庁と東京証券取引所が発表した「コーポレートガバナンス・コード」は、ともにESG投資の概念を推進する内容となっています。
 


 ESG投資の代表的手法には、ESG評価の高い企業を投資対象に組み込む「ポジティブ・スクリーニング」と、反社会的活動にかかわったり、環境を破壊したりしている企業を投資対象から外す「ネガティブ・スクリーニング」がある。類似のものとして議決権行使などで投資先企業の行動に影響を与える「エンゲージメント」や、慈善事業などの社会貢献と経済的利益の両方をねらう「インパクト投資」といった手法もある。国連の責任投資原則に署名した資産運用機関は2012年12月時点で1100を超えており(日本は24)、その運用資産は32兆ドルに達している。また、ESGに適合した企業かどうかを指標化するスコアリング基準づくりも進んでいる。


一橋大学大学院 商学研究科 伊藤邦雄 特任教授曰く「長期のサステナビリティ(持続可能性)を分析・評価するには、ESGや、非財務情報とか無形資産に関する情報を見る必要がある」と発言。


【ここからが、私の感想】
つまり、企業が成長したり、持続発展するためには、従来の財務諸表だけではない観点が必要だという発想である。
この考え方を表層的に見れば、なるほど、反社会的活動に関わる企業は、論外だし、環境破壊も(どこまでを環境破壊と呼ぶか等の定義付けの問題はあるが)、破壊という表現を使う以上、「破壊」は良くないだろうし、人権問題への対応も、必要だろう。
コンプライアンスの在り方って、(法令遵守)も当然だろうし、社外取締役の独立性に関しては、そもそも論ですが、社外取締役の目的から言って、本来、自由に発言したり、行動を制限されるべきものでないから、「独立」であってしかるべきだと思うが、現実は、特に、日本の会社は、社外取締役は、本来の仕事をすると、煙たがられる存在のようだ。



社外取締役に期待されている役割は、第三者の立場から経営をチェックすることです。社外取締役には、他社の会長など役員や役員経験者のほか、学者や弁護士、会計士などの識者を招くことが多いです。
海外に比べ「社外」少ない日本
 社外取締役ゼロの上場企業は減ってきた日本だが、取締役会に占める社外取締役の比率は国際的にみて低い。議決権行使の助言会社、インスティテューショナル・シェアホルダー・サービシーズ(ISS)が2011~12年に調査したデータによると、独立性の高い社外取締役が取締役会に占める割合は米国で約72%、ドイツで約68%。日本は独立性の高い社外監査役を加えて計算しても15%程度。


 日本企業の社外取締役比率は欧米だけでなく、韓国やシンガポール、インドなどアジア諸国をも下回る。香港中文大学の范博宏教授によると、アジアには1997年の通貨危機以降、国際通貨基金(IMF)の要請で上場企業に社外取締役の導入を義務づけた国が多い。もっとも「独立した社外取締役の存在と株価に明確な因果関係はみられない」という。ただ范教授も社外取締役の意義を全否定はせず、取締役会で合理的な議論ができるなどの利点も指摘する。招く目的と活用方法によって効果は変わるという。



「情報開示」に関しては、企業競争力を阻害しない範囲で、常識的な観点から行われれば良いと思うが、


私が一個人投資家として、思うことは、
①ESG投資の考え方(概念)は、まず、当たり前やん。特に、変なことを言っている訳でないのだから、支持されて当り前だと言うこと。
②次に、企業が成長したり、発展したりする前提には、利害関係者(ステークホルダー - Wikipedia)の支持が不可欠である。
つまり、社会の要請や、時代にマッチングした会社が、隆盛するということである。
③この「2006年に、国際連合が打ち出した」というのが、ポイントだと思う。
つまり、これは、「政治」なんだと思う。まず、この国際的な政策が、是か非かということに関しては、大きい捉え方から言えば、是だと思う。
それは、地球温暖化の問題や、光化学スモッグや、海洋汚染対策などの、化学物質の管理。人権問題への対応。(企業が、従業員に対しての労務問題)。等を鑑みても、改善したり、より良くして行くことに如くはなく、賛成である。
では、何故国連が、このESGの観点から、投資するように投資家に対して提唱したのか。それは、このままでは、良くないからである。マズイからである。
背景には、「多国籍企業」と、「中国」の非倫理的・反道徳的な活動がある。


つまり、今までは、米・ウォルマートに代表されるように、株主の利益のため、「財務諸表」の数字を上げるため、環境を後回しにし、安い人材を求め、また、無知につけこみ、劣悪な労働環境で働かすようなことが多発していた。
ウォルマートに呑みこまれる世界
ウォルマートのブラック企業っぷりには日本企業も真っ青 - jisakumc blog


そして、「中国」。中国が世界に与える害悪は、もはや、例を挙げるまでもないので、割愛するが、世界の良心のある者が、地球のため、将来の生物のために、目先の金銭上の利益だけでなく、(それこそ、企業ではなく、)地球のサステナビリティ(持続的可能性)のため、提唱されたのだと考える。


それで、「国連」内の誰が考えたのかは、知らないが、企業の投資価値を測る新しい評価項目として関心を集めるようになったのだが、つまり、道徳的に見ても良い企業に投資をして応援することによって、間接的に、反道徳的な企業を淘汰して行こうということだが、これは、賛成だ。
ただ、問題は、財務諸表以外の問題をどう客観的に公平に判断するかということだ。
非財務情報や、無形資産をどう評価し、比較し、信頼性を担保していくか。
(スコアリング基準作りの重要性)
また、その非財務情報と無形資産が、本当に企業自身や、ステークホルダーにとって、評価通りの効果を表しているかの評価・報告も必要だろう。



ポイントとなるのは、情報の正確性と、その情報の良きにつけ、悪しきにつけの大きさの判定の難しさだ。
今の時代、情報の真贋を見極めることは、まあ難しい。マスコミの誤報もしかり、昨今話題のサイバー攻撃で、操作されることも現実問題としてある。
例えば、間違った情報を放送局や、新聞が流した場合、それが、法律的な悪意(違法性があると知らなかった場合)や、やむを得ない場合は、免責だと思うが、故意であったり、最低限必要な、十分な取材を経ずに、公共の電波に流した場合は、罰則を設ける必要があると思う。新聞の場合は、責任者の辞任と、業務停止もあっても良いと思う。
例えば、慰安婦報道を誤報した朝日新聞のようなケースは、今後発生した場合、国益にも多大な損害を発生せしめたのだから、当然上記のような、懲罰を受けるよう、法律を作るべき。なぜなら、マスコミは第4権力と呼ばれるほどの影響力を持ちながら、地上波の放送局は、ほぼ独占企業状態であるし、広告代理店の電通と取引をしているメディアは、電通からのバイアスが掛かりまくっている。
これでは、社会的に公平な報道とは呼べないし、また、(取材不足の上、報道した内容が)誤報であった時に、罰則なしというのは、影響力の観点から見て、あまりにバランスを欠いている。


④次に、上場企業の中でも、新興企業の目線に立った場合、ESG投資をどう見るかという論点に関しては、当たり前の法令遵守や、環境配慮、労務サポートは良しとしても、過度の社会貢献や情報開示を投資判断基準の枠内に盛り込まれることは、資本力や、人材力が不足する新興企業にとって成長への足かせとなる場合も考えられるのではないか。


⑤地球全体、社会全体から見た場合、機関投資家がESG投資の概念を汲んで、それを根拠に投資するのは、良いことかも知れないが、では、個人投資家の立場としては、どうだろうか。ESG投資は、持続可能性を評価・分析するための一つの考え方であり、個人投資家が投資を行う上で、第一義とするのは、社会正義もさることながら、利益を上げて、資産を殖やすことにあって、「社会正義・社会貢献」を行う場は、「投資」以外にもあると、小生は考える。もっとはっきり言えば、個人投資家が、社会正義・社会貢献の主義を持ち込むと、勝ちにくくなったり、利益率が減る恐れを感じるということである。


何にせよ、国連から提唱され、欧米の機関投資家を中心に、展開されてきたことは、喜ば
しいことだが、このNEWSを、中国のチャイナ7や、共産党幹部は、どう感じただろうか。
中国国内の環境問題や、チベット・ウイグルの人権問題を抱え、経済指標の嘘八百を流しつつ、20日に誕生するトランプ米国新大統領が行う、対中国への為替操作国への指定を含む経済制裁に怯える現状の中、欧米は、環境・社会・企業統治を重要視する投資基準を進めるということは、今後、中国のような、ESG投資の概念に反する国には投資しないようになりますよというメッセージを受け取ったのだろうか。


わかっていても、直ぐには対処できないかも知れないが、国際社会と話し合う(表面上は、国際会議に出てくるが、実態は行動が伴わない)姿勢がない状況は、(国際司法裁判所の裁定にも従わない。フィリピンのスカボロー環礁問題等)客観的に見ても、先進文明国と、非文明国の違いを感じざるおえないのである。